子どもの困った行動の裏側にあるもの

こんにちは。『あなたの子育てに変化を起こす子育てカウンセラー』の宇田川昌子です。
7,8月は「不登校サポート月間」として、親子関係を考えるコラムをお届けしてきました。
今回は連載最後として、「子ども困った行動の裏側にあるもの」をお届けします・。

※前回以前の記事はこちらから。

①7月7日  『不登校を乗り越える初めのきっかけ』
②7月20日 『未来に意識を向けると親子関係は変化する』
③7月27日〜8月24日 『自分で考えて行動できる子の親がやっていること」

(その1はこちらから)
(その2はこちらから)
(その3はこちらから)
(その4はこちらから)

学校に行かない・・否定的な行動にも意味がある

□学校に行かない/行きたがらない
□急に口答えするようになった
□勉強をしなくなった
□ゲームばかりしている
□門限を守らなくなった
□無気力になった
□乱暴になった

このような子どもの「困った行動」「否定的な行動」があったとき、親は何とか改善するために無理に何かをさせたり、その行動をやめさせたりしようとしてしまいませんか?

あなたが叱ったり、注意をして、その行動が改善し、変化が起きればOKなのですが、子どもの「困った行動」が続いたり、叱っても変化がおきないとしたら、あなたの対応を変える必要があります。


親が否定的な行動に注目し続けていると・・

親は、子どもが楽しく学校に通っている時、あるいは兄弟が仲良く遊んでいる時、楽しそうに何かに集中している時等肯定的な言動や行動をとっている時には、それが当たり前と思ってしまい、そこに意識を向けたり、褒めるのも忘れてしまいがちです。

ところが、子どもが『学校に行きたくない』とか「兄弟げんかをしている」など、困った行動が始まったとたんに、注目して仲裁に入ったり、叱ったり、親は急に子どもに注意をむけ、関わります。

困った行動、否定的な行動をとった時に親が注目して関わることを続けていると
子どもが無意識に学ぶのは

●「頑張っている時」「仲良くしている時」など、肯定的な行動をしていても親は自分に注意を向けてくれない

●『親の愛情や注目が欲しい時は否定的な行動をとって親の注目をひけること』

を学びます。

ですから、「困った行動」「否定的は行動」に注目して、改善しようと無理矢理やるのは、逆効果なのです。

否定的な行動の裏側にある子どもの想いは?

実践心理学では「人のすべての行動の裏側には肯定的な意図がある」という前提があります。

肯定的な行動【例:ウオーキングをする/新しいことに挑戦する/手伝いをする等】
否定的な行動【例:学校に行かない/反抗する/勉強しない等】

肯定的な行動の裏側の意図は「健康のため」や「自己成長」「相手に喜んで貰うため」とわかり安いのですが、一方で否定的な行動の裏側に、その人にとってメリットになる肯定的な意図があるとは思いもしませんよね。

私も自分の子どもの不登校だった思春期の頃には、不登校や反抗する行動の中に、子どもにとっては大事な肯定的な(意図)があるなんて思ってもみませんでした。
ただただ、目の前の子どもの困った行動に悩み、疲れ果てていました。

 

不登校や反抗、子どもの「困った行動」「否定的な行動」が見えたら、
まず、あなたに何かを訴えていると思って下さい。

否定的行動をやめさせようとするのは、逆効果で、裏側にある意味や心の状態を認めない限り行動は変わりません。
これまでのコラムでお伝えした、子どもをじっくり観察し、そのままの行動や子どもの話を否定せずに受け取りましょう。そして、その「困った行動」から伝わってくる行動の意図や想いを感じてみましょう。


例えば、その意図や想いは、

『自分を傷つかないように守っている(プロテクション)』
『もっと愛情をかけて欲しい(愛情)』
『もっと自分を見て欲しい(Watch me)』
『自分のことを分かって欲しい(承認)』

等が考えられます。

急に口答えをするようになったり、反抗し始めたとしたら、親は心配から叱ったり、注意をしたり、反抗期だから仕方ないと諦めて何も言わない等の対応をする方が多くいらっしゃいます。

同じ行動でも裏側にある肯定的な意味は変わってきますが、

もっと自分のことを分かって欲しい、認めて欲しいと思っているのに、反対に怒られたり、注意されたり、無視されたとしたらどうでしょう。その対応で改善するでしょうか?

大切なのは否定的な行動の裏側にある想いを受け止めて、別な対応をしなければいけない時期にきているのです。

但し、ここで注意しなければいけないのは裏側に肯定的な意味や意図があるからといってその行動が許される訳ではないことです。そして、万一、暴力等があったとしたらそれは絶対に止めさせて許してはいけません。

子どもの困った行動にどう対応していくのか?

それでは・・・・。

学校に行かない
反抗する/口答えばかりする
無気力になる

子どもの「困った行動」「否定的な行動」にどう関わっていけばいいのでしょうか?


まず、始めにやることは、質問によって子どもの思いを聴きだし、子どもとのコミュニケーションがしっかり取っていくことなのです。

最初のコラムで書いた「あなたはどうしたい?」という質問です。

「本当は、本当はどうしたいのか?」を聴き、何が出てきてもまずは「そうなんだね」と受けとめ、最後まで話を聴くことをやってみて下さい。まずはコミュニケーションが取れるようになることが第一歩です。

これが習慣化されると子どもは劇的に変わります。

そして、その子が親に「自分は愛されている」という気持ちを創り出して行きましょう。

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執筆者:宇田川昌子(トレーナー)

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