“大丈夫な子”ほど、実は見てほしい ― 夏休みに気づいてあげたいサイン

こんにちは。子育てコーチのすずともです。
夏休みに入り、それぞれのご家庭で、それぞれの時間が流れ始めていることと思います。

家族で旅行に出かけたり、いつもよりゆっくり一緒に過ごしたり——夏休みは、親子で新しい体験や時間を楽しめるチャンスでもありますね。一方で、不登校のお子さんがいるご家庭にとっては、「みんな休み」になることで、お子さん自身の気持ちがふっと軽くなる時期でもあります。学校がある日は「行けない自分」を意識せずにいられない子も、夏休みの間は、その重さから少し解放されることが多いのです。

そんな中で、今日は少し違う角度から、お伝えしたいことがあります。それは、「順調に見えるお子さん」を育てているお母さんへのメッセージです。

「頑張れる子」ほど、実は無理をしていることがある

不登校のご相談を伺っていると、よくあるパターンがあります。

それまで勉強もよくできて、部活動やクラスでリーダーシップを発揮したり、周りの友達のことも気にかけたりしてきた子。そんな「頑張れる子」だったお子さんが、ある日突然、学校に行けなくなる——というケースが少なくないのです。

親御さんは決まってこうおっしゃいます。「どうしてうちの子が」と。

これは、甘えでも、気まぐれでもありません。頑張り屋の子ほど、疲れや弱音を表に出さず、周りの期待に応え続けようとします。その頑張りが少しずつ積み重なり、ある日、限界を迎えたときに、動けなくなってしまうのです。

“大丈夫な子”だからこそ、見過ごされやすい

ここに、見過ごされやすい落とし穴があります。

「この子は大丈夫」「うちの子はしっかりしているから」——そう親や周りの大人が安心してしまうこと。そして、「ここまでできるのだから、もう少し頑張ればもっとできるはず」という親の欲目。この2つが、実はその子のSOSを見えにくくしてしまうのです。頑張れる子ほど、弱音を出すのが苦手で、自分自身でも「疲れている」ことに気づいていないことすらあります。

だからこそ、不登校のお子さんへの関わり方だけでなく、「今、頑張れている子」「大丈夫に見える子」のことも、よく見てあげる必要があります。

頑張りの源はどこにあるか

子どものエネルギーの源は、大まかに分けると2つあります。ひとつは、「自分が好きだから」「やってみたいから」という、自分の内側にやる理由がある場合。もうひとつは、「やらなければならないから」「やるべきだから」という、自分の外側にやる理由がある場合です。真面目なお子さんに多いのですが、「こうしなければならない」と教わったことを、そのまま忠実に守り続けている場合も、外側にやる理由がある頑張り方と言えます。

自分が本当にやりたいと思うことをやり続けているとき、エネルギーは内側から湧いてきます。反対に、誰かのために、期待に応えなければと思って頑張っているとき、エネルギーは消耗し、枯渇していきます。

私たちは誰もが、この2つのバランスを取りながら過ごしています。学校に行けないという状態は、そのバランスが崩れ、エネルギーが枯渇してしまったサインです。だからこそ、お子さんが今頑張っていることが、いつの間にか誰かの期待に応えるためだけの頑張りになっていないか——このような視点で見ることも大切なのです。

夏休みにできること

とはいえ、ただ「無理してない?」「大丈夫?」と聞いても、人一倍頑張ってきた子ほど「大丈夫」「無理してないよ」と反射的に答えてしまうものです。言葉だけを頼りにすると、本音を見逃してしまうことがあります。

大切なのは、子どもが「ちょっと聞いてほしいな」「話したいな」と思ったときに、いつでも話しかけられるような余裕を、親の側にあらかじめつくっておくこと。根掘り葉掘り聞き出そうとせず、ちょうどいい距離感で見守っていてあげてください。子どもが弱音を吐いたときは、すぐに励ましたり解決策を出したりせず、まずはその気持ちをそのまま受け止めてあげましょう。

実は、はっきりと不登校という形をとっている子ども以上に、「学校に行きたくないけれど、無理をして行っている」という子どもたちが、たくさん存在しています。今、順調に見えるお子さんも、その一人かもしれません。

こうして「行きたくない」という気持ちを言えないまま、休むこともできずに追い詰められていく子どもたちは、夏休み明けなど長期休暇の節目に、特に高いリスクにさらされることが指摘されています。だからこそ専門家は、「学校に行きたくない」という訴えを、命に関わるSOSとして受け止め、迷わず休ませることを勧めています。

頑張らせる前に、一旦立ち止まる

よくできる子だからこそ、大人はつい「もっとできるはず」「この調子で頑張ってほしい」と、さらに期待をかけてしまいがちです。でも、その前に少しだけ立ち止まって、その子が今、どんなペースで過ごしているかを感じてみてください。

夏休みは、”順調に見える子”の頑張りを、一旦横に置いてあげられる貴重な機会です。あれこれ手をかけるのではなく、親は少し引いたところから、そっと見守る。それくらいの距離感が、よく頑張っているお子さんには、ちょうどいいのかもしれません。

(執筆:鈴木友子COACH)
外部リンク:ホームページ https://coachsuzutomo.com/blog/


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カウンセラー/コーチ 宇田川 昌子
・NLPマスタートレーナー
・CPI教育研修部マネージャー

私立中学や教育現場で保護者や先生を対象に講演やセミナーの実績多数。常に現場で保護者の悩みを聴きカウンセリングやコーチング等様々なサポートを行っている。自身の息子の不登校を克服した経験ももつ。


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