自分で考えて行動できる子になるには【その3】

こんにちは。『あなたの子育てに変化を起こす子育てカウンセラー』の宇田川昌子です。
自分で考えて行動できる子の親がやっていることその3をお送りします。

(その1はこちらから)
(その2はこちらから)

子どもの良いところ、うまくいっているところは、見えていますか?


あなたは、子どもが漢字テストで90点をとってやってきた時、どのように対応していますか?
子どもは90点を取ってとても嬉しそうです。


□よくできたね。でも90点か〜。間違ったところを二度と忘れないように10回ずつ書きなさいよ。
□あなたが90点ならクラスの平均点はもっとよかったんじゃない?
□頑張ったのに90点だったら、もっと頑張らないとね。
□もっと練習しなさいと言ったのに、やらなかったから90点なんだよ。

こんなリアクションをしていませんか?

ある、あると思ったあなた!!

もしかしたら、

子どものできているところより、できていないことに意識がいっているかもしれません。

あなたは『今お子さんの上手くいっていることを10個書き出して下さい』と言われたらすぐに書きだせますか?
意外に10個、書けないお母さんが多いのです。

普段から、いかに子どもの出来ない事にフォーカスして物事をみているかということが分かります。

多くの親は、子どものできていないこと、足りないところに目が行きがちで、それを矯正しようとします。

 

足りないところを見ていることで、子どもに伝わるメッセージとは?


どうして親は、子どものダメなところばかり気になるのでしょうか?

それは

●他の子と比較している
●自分の子は優秀であって欲しいという親の願望
●このままだとこの子の人生がダメになってしまうという不安
●世間体や人目を気にする
●このくらいできて当たり前

など
思い込みや自分の意識の影響があるからです。
この意識や思い込みはどこから来ているかというと、親自身がこれまでの人生で作ってきた価値感や、子どもに対する愛情から来ていることは間違いありません。

ところが子どもの立場からみてみると、上記のような言葉かけはネガティブなメッセージとして伝わっているのです。

例えば

□自分は親の期待に応えられないダメな子
□自分は優秀ではない。
□自分は何をやってもうまくいかない
□親は自分のことより、世間体を気にしている
□出来ない自分は親の愛情を貰えない

これらのメッセージは子どもの自己肯定感を下げますし、あまり親から褒められたことのない子どもは自分に対して自信がもてなくなります。


親は心配や愛情からメッセージを伝えているのに子どもは『あなたはダメな子』として受け取っているのです。

そうすると、子どもは自分に自信が持てず、自分で考えて行動するどころか、失敗を恐れて指示を待ったり、
行動しないことを選択する様になっていきます。

反対に、親が子どもの上手くいっているところにフォーカスし、繰り返しフィードバックをしていると、失敗を恐れず、まず何でもやってみようとします。
親の肯定的なフィードバックは、子どもにインプットされ自分の強みや得意が分かる様になって、行動にも自信がつきます。
さらに、自分は『親に愛されている』『価値のある子』という認識が子どもに芽生えます。
結果、失敗を恐れず、能動的に自分で考えて行動出来る子になっていくのです。

子どもの良いところ、うまくいっているところが見えるようになる第一歩は?


どうやったら子どもの良いところ・上手くいっている事が見えるようになるのでしょう?


①子どもをよく観ること

え~そんなのあたりまえでしょ!子どものことはよく見ています・・と思うかもしれません。
確かにお母さんは子どものことをよく見て、子どもの体調や様子を当たり前の様に気遣っていると思います。

●今あなたのお子さんはどんな表情で笑っていますか?
●何を考え、どんなことを感じていると思いますか?
●どんなことに注目して、お母さんの話を聞いていると思いますか?

今までより、もっとお子さん自身に興味をもって観るということです。
これがNLPではカリブレーション(観察する)といって大切にしています。


例えば、思春期ですっかり口をきかない、反抗ばかりする子どもに、その状況だけを捉えて親が反応し、イライラしたり、悲しんだりするのではなく、口をきかない、反抗をしている子どもの姿から、「この子は何を伝えようとしているんだろう」というような意識で相手に興味を持って観るのです。

どうでしょうか?そうすると親のイライラや悲しみも少し変化しませんか?

こんな風に子どもをよく観る(カリブレーション)というのは状況や事実や状況を良く見ることに加えて、子どもの表情、声のトーン、その時子どもが感じていること等をくみとりながら捉えるということです。


②子どもがやっている事に興味を持って観る

子どもが、YouTubeやゲーム、アニメ等、夢中になっていると、YouTube=ダメな物として頭ごなしに「やめなさい!」とか、イライラしながら、「何時までやるの?」なんて声をかけたりすることはありませんか?

子どもはYouTubeの何に夢中になっているのでしょう?なぜ、ゲームが好きなのでしょう?

「子どもに興味をもって観る」というのは、子どものやっている事(YouTubeをしている、ゲームをしている)を見るだけではなく、なぜそれが楽しいのか?嬉しいのか?好きなのか?まで、興味を持つということなのです。

是非お子さんに、「何見ているの?」「どこが面白いの?」「なぜ、それが好きなの?」YouTubeやゲームの何に惹かれているのか?なぜ楽しいのか?等、聴いてみてください。
親も想像できなかった意外な視点で楽しんでいるかもしれません。

そんなやりとりの後、YouTubeやゲームはもう終了を提案してみると、不思議なことに子どもがあっさりやめたりすることがありますよ。お互い気持ちよく過ごすために、お勧めの方法です。試してみてください。

子どもの良いところが見えるようになるのに、大切な第1歩は、「子ども自身を知る」ということです。

もう、子どもが大きくなってしまったから、手遅れかも、今更やっても変化しないかも・・・なんて、思わないでください。このコラムに書いていることは、いつからやっても遅くありません。
いつからでも、あなたの愛情を肯定的に伝えていくことは可能です。

長くなったので続きは次回にします。
次回はさらに、子どもの良いところ、うまくいっていることが見えるようになるために、親の視点の数を増やす方法をお伝えしていきます。


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執筆者:宇田川昌子(トレーナー)

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