子どもの成長には波があるなあと感じます。
ググっと目に見えて成長する時期は、親は安心して気持ちに余裕が持てます。
でも、なかなか成長が見えてこない時期は、親にとって不安でもどかしく辛い時期になります。
思春期の入り口にさしかかった私の息子。
心身の成長に伴い、今まで疑問に思わなかったことに引っかかって動けなくなるなど、私からはまるで立ち止まっているかのように見えていました。
もちろん息子自身も苦しいのでしょうが、親にとっても辛い時期です。
私から見えるのは、自分の好きなことだけをやる、ダラダラ過ごしているような息子の様子。
自分勝手だなあと思ってしまう時もありました。
親の言葉に全く耳を貸さないこともあり、「今はこんな時期、仕方ない。見守るしかないなあ」と様子を見ていました。
でも、「もっと息子がこうなったらいいのに」との私の想いは、ちょっとした言葉の端々や態度に出ていたのでしょう。
ある時、息子に言われました。
「お母さん、僕は自分でできるようになるタイミングがきっとあるから。何も言わないで黙って見てて。そうじゃないと、僕は辛くなるよ」
ハッとしました。
「そうか、息子はちゃんと自分のことを分かっていて、目標をもっているんだ。ただ、今は思うように行動できない自分がいて、もがいているんだなあ。息子なりに頑張っているんだなあ」と思いました。
息子に「わかった。じゃあ、お母さんはもうその事は言わないね。○○(息子)のことを信じているよ。」と伝えました。
そして、息子が頑張っていることをわかっていたつもりだったのに、ちゃんとわかってあげてなかったことや、
もっと前から、息子が別の言葉で何度もメッセージを伝えてくれていたこと、それを聞き流していたことにも気づきました。
この出来事以来、息子の行動に対する見方が変わり、気持ちに余裕が持てるようになりました。
また、息子の中で何かが変わり始めていることも感じるようになりました。
子育てに悩んだ時、迷った時、子育ての本を開いて答えを探すのもいいかもしれません。
でも、そこにある答えは、あくまでも一般的なもの。
参考にはなりますが、それが今のわが子に合っているとは限りません。
一番大切なのは、
目の前の子どもをよく見ること
子どもが何を伝えようとしているのか、しっかり聴いて、感じること
そして、どんな親でありたいか、今の自分にできることは何かを自分自身に問いかけることだと思います。
子どもは色々な方法を使って、「こうしてほしい」「あれはしないでほしい」と親に伝えてくれています。
言葉でストレートに伝えてくることもあれば、親が喜ばない行動を取るなど一見わかりにくい伝え方をすることもあります。
それに対して、ついいつものやり方で、親の考えで抑え込んだり、「はいはい」と軽く聞き流してしまっておしまいにしていることはありませんか?
子どもの言いなりになるのとは違いますが、
「子どもは何を伝えたいんだろう?どんな思いからこの言葉を言ったんだろう?」としっかり話を聴くこと、子どもの立場に立ってみることが大切です。
そのメッセージの中に、今必要なこと、大切なことがきっとあります。
今回の体験は、私に大切なことに気づかせてくれました。
わが子に「親とは?子育てとは?」を教えてもらっている気がします。